チャプター 156

受話口の向こうから聞こえてくるグレースのすすり泣きを耳にしながら、イザベラは胸の奥で煮えたぎる激しい憎しみを押し殺し、やさしく慰めるように言った。

「グレース、泣いてばかりいないで。何か方法を考えないと」

「今の私は、あなたのお兄さんに対してあまり影響力がないの。でも……ソフィアに頼んでみるのはどうかしら?」

「今のお兄さんにとって、いちばん大事なのはあの人よ。あの人が言うことなら、きっと聞いてくれるはず。試してみたらどう?」

そう口では言いながらも、その胸中は憎悪で満ちていた。ヘンリーがグレースにあれほどまで冷酷で、兄妹の情さえ顧みないのは、あのいやな女、ソフィアのために仇を取ってい...

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